年金運用損失21兆円 誰が運用? なぜ損失が? 累積は?
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出典:GPIFとは?年金を運用して損失は大丈夫? | 株式投資で稼ぐ個人投資家の戦略ラボ
年金運用、損失額21兆円超。年金運用の見直しは大失敗。
とのニュースが流れました。
21兆円とはただならぬ額ではありませんか。
そこで、運用してるのは誰か、なぜ損失が出たのか、累積ではどうなっているのか、
調べて見ました。
年金運用はだれがおこなっている?
年金の財源は次のとおりです。
・保険料収入
・国庫負担
・年金積立金の取り崩しと運用益
年金積立金の運用を行っているのは、
年金運用独立行政法人「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)
ここから信託銀行、投資顧問会社に委託運用されています。
この運用形態は平成13年から行われています。
平成12年まで
旧厚生省
↓年金積立金の委託
旧大蔵省
公共事業など
平成13年以降
↓年金積立金の委託
GPIF
↓運用委託
「グリーンピア」と聞けば、思い出されるでしょう。
天下り先法人が無駄な設備をつくって、赤字を垂れ流していた、公的年金流用問題。
その対処として、GPIFで年金を運用するようになりました。
教えて!年金積立金運用 なぜ年金積立金の運用は必要なの? |厚生労働省
なぜ損失がでてしまったのか?
一昨年2014年、GPIFはポートフォリオ(運用商品の組合せ)の見直しを行いました。
国内債券 60%→35%
国内株式 12%→25%
外国株式 12%→25%
外国債券 11%→15%
国内から国外へ、債券から株式へと運用先をシフトした訳です。
公的年金は、現役世代から高齢者世代へ仕送りするという
「世代間扶養」がしくみの基本です。
しかし、急激な少子高齢化が進むと、支え手の減少から保険料収入が減り、
高齢者の増加から必要な給付額は増えることになります。
そこで、年金積立金を運用して、その利益を活用することが必要となります。
日本国債の利回りは1%台。
これでは、そうそう年金資産の増加は望めません。
そこで、ポートフォリオ見直しとなったようです。
ところが株安
原油の先物価格の下落が続く中、
1月20日、株価は昨年の最安値を下回るまで値下がりしました。
続いていることなどから、全面安の展開となり、
日経平均株価は去年1年間の取り引き時間中につけた最安値を下回り、
600円以上値下がりしました。
株安の要因については、諸説ありますが、四季報によると次のとおりです。
2016年に入ってから、株価の下落局面が続いている。
中国の株式市場の混乱に端を発したという見方もできるが、
実際には米国の利上げの影響を懸念しての持ち高調整が続いている
ということだろう。さらに、原油価格の下落が、
中国の景気減速や産油国のオイルマネーの換金売りに対する懸念に
つながり、株式市場を大きく下落させる要因となっている。
運用実績の累積
厚生労働省によれば、過去の実績は次のとおりです。
年金積立金全体の収益(単年度)
年金積立金全体の収益(累積)
出典:教えて!年金積立金運用 運用状況はどうなっているの? |厚生労働省
26年度までの累積収益が61.8兆円。
そこから今回の損失21兆円を引けば、
まだ累積で40兆円超の利益がでている計算になります。
まとめ
運用実績の累計では40兆円を超す利益が出いています。
また、「四季報」の分析では、
今回は「金融不安」という言葉が出ていない。
景気が落ち込む「かもしれない」ということで売られ、
リスクが回避されることはあっても、
「疑心暗鬼」で金融機関の経営自体がおかしくなるという懸念は
出ていない。
つまり、リーマンショック時のような「どうなれば不安がなくなるのか」
が見えないことがリスク回避に拍車をかけるという、
負の連鎖は起きていない。
引用:これが市場の注目点 | 株価1万7000円割れが一時的であると考えるワケ | 会社四季報オンライン
としており、先が見えない、底が見えないという株安ではないように思えます。
寒波が居すわる中で、こんなニュースが流れると、身も心も寒くなりますが、
疑心暗鬼はよくありません。
21兆円の損失は大きいですが、株安は一時的なもの、株価が戻れば利益もでるはず。
そう信じて春を待ちたいと思います。