北朝鮮ミサイル発射 発射時刻、ルート、落下地点と日本への影響



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出典:3D map of North Korea's secret 'nuclear' missile site | Daily Mail Online

 

2月11日、北朝鮮が公開した最新映像

(ミサイル発射、金正恩第一書記)は下のリンクをクリックしてご覧ください。

「字幕」の設定をONにすると、日本語字幕が画面下に表示されます。

北朝鮮 「朝鮮記録映画 敬愛する金正恩同志の指導の下、地球観測衛星『光明星-4』号、成功裏に発射(광명성-4호 발사)」 KCTV 2016/02/11 KMS-4 Lift off 日本語字幕付き - YouTube

 

 

発射準備中の報道があった、北朝鮮のミサイル発射が実施されました。

発射時刻、ルート、落下地点を追ってみました。

ミサイル発射後の北朝鮮のTV放送「特別重大報道」のYouTube動画もご紹介します。

また、過去のミサイル発射について振り返ります

 

発射場所 

北朝鮮北西部 東倉里(とんちゃり)

 

発射時刻

09:31頃 南方向に発射

 

ルートと落下地点

09:37頃 朝鮮半島の西150㎞ 黄海上(1個目 ロケット1段目)

09:39頃 朝鮮半島の南西250㎞ 東シナ海(2個目 ロケットのカバー)

09:41頃 朝鮮半島の南西250㎞ 東シナ海(3個目 ロケットのカバー)

09:45頃 日本の南の2000㎞ 太平洋上(4個目 ロケット2段目)

 

09:39頃、ミサイル(5個目)は沖縄県の南上空を通過して太平洋に向けて飛行を継続。

アメリカ軍の発表によると、これは宇宙空間に到達したとのことです。

北朝鮮のミサイル、宇宙空間到達を確認 米軍 :日本経済新聞

 

自衛隊による破壊措置はとられませんでした。

ミサイル5つに分離 太平洋などに落下か 政府発表 NHKニュース

 

 

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出典:北朝鮮ミサイル、前回発射と重なる軌道 開発どこまで:朝日新聞デジタル

 

2012年12月のミサイル発射と同様の飛行ルートだった模様です。

1個目~3個目は予定区域内に落下。

 4個目(ロケット2段目)のみ予定区域外に落下した模様です。

衛星を軌道に乗せるために、軌道の調整を行った結果ではないかと考えられています。

 

日本への影響

石垣島沖縄本島を含め、日本への影響はありませんでした。

 

打ち上げ後の北朝鮮のTV放送

北朝鮮はミサイル発射後、特別重大報道で「軌道進入に完全に成功」と発表しました。

下のリンクをクリックすると、YouTubeの動画をご覧になれます。 

 

映像1(YouTube)

「字幕」の設定をONにすると、日本語字幕が画面下に表示されます。

北朝鮮 「特別重大報道:光明星-4号発射命令、金正恩同志下達」 KCTV 2016/02/07 日本語字幕付き - YouTube 

 

映像2(YouTube)

こちらは「字幕」なし。ロケット発射の写真、金正恩第一書記の写真がでます。

北朝鮮 「特別重大報道」:ロケットの写真付きバージョン KCTV/2016/02/07 1330JST - YouTube

 

過去のミサイル発射

これまで、北朝鮮のミサイル発射は3~4年間隔で何度か実施されてきました。

そして、核実験も近い時期に行われています。定期的な示威行為ともとれます。

 

北朝鮮の核実験実施時期

2006年

2009年

2013年

2016年

 

ミサイル発射実施時期と概要

1993年

射程距離1,000-3,000kmの準中距離弾道ミサイル、ノドンの発射が行われました。

落下地点は能登半島の北350km付近と考えられますが、

太平洋に落下した可能性も示唆されています。

イランの視察団が実験直前まで発射場にいたとの報道もあり、

イランにミサイルの信頼性を示し、ノドンと石油の取引を行うことが北朝鮮

意図だったと言われています。

 

1998年

射程距離2,000kmの中距離弾道ミサイル、テポドン1号の発射が行われました。

ミサイルは、津軽海峡付近から日本列島を越えるコースを飛行し、

第一段目は日本海に、第二段目は太平洋に落下しました。

大気圏外とはいえ事前通告なしに日本上空を通過させるという暴挙でした。

人工衛星打ち上げ用ロケット、または弾道ミサイルの実験だったと推測されます。

北朝鮮は、この実験により多段階ロケットの切り離し技術や姿勢制御技術を

獲得したと見られます。

 

2006年

スカッド、ノドン、テポドン2号の弾道ミサイル計7発が、

日本海に向けて発射されました。

テポドン2号は射程距離13,000kmの大陸間弾道ミサイルです。

3発目が北朝鮮北東部の舞水端里(ムスダンリ)から発射されたテポドン2号と

考えられます。

スカッドやノドンはほぼ同じ海域に着弾し実験に成功したとみられるが、

テポドン2号は発射42秒後に海上に墜落、実験は失敗しました。

 

2009年

舞水端里からテポドン2号の改良・派生型とみられる銀河2号が発射されました。

北朝鮮は事前に「人工衛星光明星2号』を衛星打ち上げロケット『銀河2号』を用いて

打ち上げる」と発表していました。

銀河2号は日本海で第一段目を切り離し、

さらに太平洋上で第二段目の切り離しに成功。

北朝鮮は衛星打ち上げの成功を発表しましたが、他国の宇宙機関からは

確認されず、衛星の軌道投入には失敗したと見られます。

 

2012年

2012年2月、北朝鮮はアメリカとの交渉で合意に至り、長距離弾道ミサイルの発射実験を凍結の見返りにアメリカから食糧援助を取り付けた。

その後、北朝鮮は「人工衛星『光明星3号2号機』を衛星打ち上げロケット『銀河3号』

で打ち上げる」と発表。

4月に人工衛星を搭載したと見られるロケットの打ち上げを実施したものの、

ブースト段階で不具合により、衛星の軌道投入は失敗に終わった。

さらに同年12月、東倉里(とんちゃり)の発射場から、

テポドン2号の改良・派生型とみられる銀河3号によって衛星打ち上げを行った。

発射同日中に北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は、この発射について、北朝鮮

人工衛星の軌道投入に成功したと見られると発表した。

これにより、北朝鮮人工衛星自力打ち上げ能力を有する10番目の国となりました。

2012年は、北朝鮮を建国した金日成の生誕100周年。

また12月は、前年に金正日の死亡した月であり、後継者の金正恩

朝鮮人民軍最高司令官に就任した月でした。

 

 

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出典:左からノドン、テポドン1号、テポドン2号 - Wikipedia


まとめ

海上自衛隊イージス艦3隻を日本海と東シナ海に展開。米海軍とも連携し、

大気圏外での迎撃に備えていました。

陸上には、沖縄本島に加え、飛行コースに近い先島諸島石垣島宮古島

迎撃ミサイルPAC3を配備し、万が一、落下物などがあった場合に備えていました。

発射時刻、飛行ルート、落下地点の検知に問題はなく、

日本への影響もありませんでした。

核実験、ミサイル発射をセットで3~4年おきに行ってきた、

これまでの北朝鮮のパターンからすると、どちらも終わった今、

ひとまずは安心と言えそうです。