読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

新津春子さん「写真は、覚えておくためでなく、忘れるために撮る」



スポンサーリンク







スポンサーリンク



f:id:jetkaichou:20160129201420j:plain

出典:Amazon.co.jp: 世界一清潔な空港の清掃人 eBook: 新津春子: Kindleストア

 

ビル清掃のプロとして

NKH「プロフェッショナル仕事の流儀」で紹介された

新津春子(にいつ はるこ)さん。

『世界一清潔な空港の清掃人』という本を書かれています。

新津さんのプロフィール、本の中のことばを一部ご紹介します。


新津春子さんのプロフィール

1990年、中国の瀋陽で生まれました。

お父さんは残留日本人孤児で、中国人の養父母に育てられました。

お母さんは中国人だそうです。新津春子さんは残留日本人孤児2世として、

1987年、17歳のとき一家で日本にきたそうです。

子どもの頃、中国では日本人であるがゆえにいじめを受けたと言います。

高校生のときから清掃のアルバイトを始めたそうですが、

日本では中国人として差別されるという身の置き場のない思いをされたそうです。

一時期は、ストレスによる胃の痛みのため、みぞおちのあたりにベルトを強く巻いて、

仕事をしていたそうです。そうしないと立っていられなかったのだそうです。

その後、「全国ビルクリーニング技能競技会」で最年少で日本一になりました。

現在は羽田空港の清掃スタッフ500名の責任者をされています。

羽田空港は英国のSKYTRAX社が実施する国際空港評価で、2013年、2014年と2

年連続で、「世界一清潔な空港」の評価を受けています。

SKYTRAX社実施 国際空港評価で2年連続世界第1位を受賞しました。 | 空港インフォメーション | 羽田空港ターミナル

 

新津さんの本を読むと、仕事においてプロフェッショナルであると同時に、

人生においてもプロフェッショナルだと感じます。

本の中には、胸にひびくことばがたくさんあるのですが、

その一部をご紹介します。


写真を撮るのが好きです

写真を撮るのは、覚えておくためではなく、忘れるためだと新津さんは言います。

なるべく後ろをみないようにしていたい。それは、前に進むのが遅くなるから。

今、前に進みたい。今楽しいこと、今嫌なことに全力で向き合いたいからこそ、

想い出は全部写真に納めて、できるだけ頭のなかにはおかないことにしてるそうです。

 

松岡修三さんの日めくり「毎日、修三!」にも似たことばがあるのを思い出しました。

「後ろを見るな!前も見るな!今を見ろ!」

 松岡修三「毎日、修三!」から引用

過去の後悔や未来の心配があっても、過去も未来も生きられません。

生きられるのは今だけです。今自分ができることに集中してこそ明日に繋がります。

 

自分と自分を比べます

他人と自分を比べて、心の中にみじめさが忍び込むと、心が元気でなくなってしまう。

だったら、自分と自分を比べようと思うと新津さんは言います。

そうすれば、今日より明日、明日よりあさってという考え方で、

毎日少しずつ成長していけます。

 

イチロー選手も同様のことを言っています。

彼いわく、「打率より、安打数を考える」と。

それは、打率を気にすると、打率が減るかもと打席に立つのが怖くなる。

安打数を考えると積み重なるだけだから、打席に立つのが楽しみになるからと。

ちょっとした、考え方の切り替えで気持ちを前向きにすることができます。


自分に対する説得力

新津さんが、手を抜かないようにしているのは、

自分はごまかせないからだといいます。

これぐらいでいいかで済ませてしまうと、自分が気持ち悪い。

心にやましいことがあると、自分が苦しい。

心の状態は顔に出るから、やましさを隠していると、

自分に対する説得力が出ないのだそうです。

 

こうした自分への厳しさがあるからこそ、自分への説得力を超えて、

多くのスタッフへの説得力となって、羽田空港を「世界一清潔な空港」に2年連続で

導くことができたのでしょう。 


「心に余裕がなければいい清掃はできませんよ」

新津さんは、若いころ技術を身につけることに一生懸命で、

戦う相手は自分だったと言います。

その頃、上司の方から「心に余裕がなければいい清掃はできませんよ。」と

言われたそうです。

そして、空港ロビーで床をハイハイする赤ちゃんを見かけて、ハッと気づき、

使う人のためにもっときれいな場所にしたいという気持ちに変わったといいます。

そして、今では子どもはもちろん、お年寄りや、障害のある方も、先生と思って、

気を配るようにしているそうです。

 

技術はもちろん、思いやりの心を込めてこそ、仕事の先にいる人に届きます。

自分の仕事が増えるのは、誰しも避けたいもの。

その対象のお客様を先生として学ぶ姿勢が、

新津さんをプロフェッショナルたらしめています。

 

まとめ

新津さんのことばは、他の分野のプロフェッショナルのことばとも重なる部分が

あります。

プロフェッショナルの考え方というのは、共通するようです。

本全体を通して感じたのは、新津さんは、仕事のプロフェッショナルであるとともに

人生のプロフェッショナルだということでした。

新津さんの自己マネジメント、自己プロデュース、生きるためのマインドと

言いましょうか、とても示唆に富む内容でした。

おすすめの一冊です。