スターウォーズの特撮スタジオILM CG技術と特撮シーン集(動画)



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出典:ILM 40th Anniversary Photo Gathers Spielberg, Lucas, Abrams & More

 

10年ぶりのシリーズ最新作『スターウォーズ フォースの覚醒』、

1977年の1作目の公開から、40年近くが経過しました。

これは、スターウォーズの歴史であると同時に、

特撮スタジオILMの歴史でもあります。

 

ハリウッド 映像王国の挑戦~“スター・ウォーズ”とILMの40年~

 

NHKのこの番組で描かれた、ILMのCG技術をご紹介します。

ILMの特撮シーンをまとめたビデオクリップもご覧ください。

 

特撮シーン集(動画)

まずは、ILMが40周年記念で作成した特撮シーン集をご覧ください。

これでもか、というほどの特撮名シーンの数々、

ご堪能いただけたでしょうか。

 

ILMの誕生

今から40年前、ジョージ・ルーカス31歳。

彼がスター・ウォーズの構想を描いていた当時、

それを映像化できる特撮スタジオはどこにもありませんでした。

 

そこで、彼はハリウッドの片隅に倉庫を借り、

若い技術スタッフを集めました。

これがILMインダストリアル・ライト・マジック)のスタートでした。

 

今では、ILMの敷地面積は9.3平方㎞。

 東京ディズニーランドが0.7平方㎞足らずですから、

その十数倍という広さです。

 

スターウォーズの中の、これまで見たことのない革新的な映像は

ここで生み出されます。

 

モーション・コントロール・カメラ

スターウォーズといえば、宇宙空間で繰り広げられる、

敵味方入り乱れての戦闘機の空中戦。

 

まばたきも忘れて、画面にクギづけにされる迫力です。

 

ジョージ・ルーカスは、第2次世界大戦中の空中戦の

記録フィルムを持ってきて、

「これを模型でできないか?」とILMに依頼します。

 

そこで、ILMが考え出したのが、

コンピューターで動きを緻密に制御できる、

モーション・コントロール・カメラです。

 

当時は、まだWindowsも発表されていません。

相当、革新的かつ高価なシステムだったでしょう。

 

これにより、同じカメラワークを何度も再現できます。

同じカメラワークで、動きの違う戦闘機を個別に撮影して、

後で合成。

 

生み出された空中戦のシーンは、

映画の歴史を変える映像革命となりました。

 

今では、模型を使わず、コンピューター上でモデリングした戦闘機を

コンピューター上で動かす方法が使われています。

 

ゴー・モーション

 様々な個性的な姿の生き物(クリーチャー)が

見られるのもスター・ウォーズの魅力ですね。

 

クリーチャーの動きには、人形アニメーション

使われています。

 

当時の技術は、静止した人形を撮影し、それをつなげる

ストップ・モーションという手法でした。

 

しかし、どうしても動きがカクカクする、

速い動きになるほど不自然に見える、

というのが難点でした。

 

そこで人形を少し動かしながら撮影する

ゴー・モーションが考え出されました。

 

これにより、クリーチャーになめらかな動きが

与えられたのです。

 

ゴー・モーション V.S. CG

映画『ジュラシック・パーク』、

あの映像の衝撃は忘れることができません。

絶滅した恐竜が、まさに現代によみがえりました。

 

当初、ジュラシック・パーク』では、

模型をゴー・モーションで動かす方法の採用を

決定していました。

 

ゴー・モーションの開発者がメイン・スタッフと

なっていました。

 

CGの担当スタッフも、CGの採用を願い出たのですが、

採用されませんでした。

 

彼は、液体金属のターミネーターT-100を表現することで、

CGの実力を世に示しました。


しかし、無機質な物を描くことはできても、

生き物を描くことはまだ困難だと、周囲は考えていたのです。

 

そこで、彼は一計を案じます。

 

密かに、恐竜のCGの試作を始めたのです。

 

そして、最初に骨格をつくり、そこに筋肉や皮膚がどう付くか

綿密に計算することで、精巧なティラノ・サウルスを生み出しました。

 

彼は、映画のプロデューサーがILMにくるという情報をつかみ、

大きなモニターに用意したCGを映しておきました。

 

それに気づいて

 

「これは何?」

 

と聞いてきたプロデューサーに、彼は答えました。

 

「ちょっとした遊びです。」

 

そこから全ては変わりました。

 

生きているような皮膚の表現、そして重量感のある動き。

 

スピルバーグとルーカスがそのCGを見て、

ゴー・モーションからCGへと方向転換を決定したのです。

 

これが、CGが映像の主役になった瞬間でした。

 

チャンスの国、実力主義の国。

こうして、常に新しいものが生み出されていく。

これが、アメリカの強さなんですね。

 

ゴー・モーションの開発者がスピルバーグ

 

「これで私は絶滅だ。」

 

と言ったところ、

 

「いいセリフだね。映画で使わせてもらうよ。」

 

ということになって、実際使われているそうです。

 

まとめ

CG技術の進歩は日進月歩で、新しい映像はいつも私たちに

驚きを与え、楽しませてくれます。

 

スターウォーズ』は、次のエピソード8も制作が

予定されているようです。

 

これからの他の新しい映画も楽しみですね。

 

よろしければ、こちらもご覧ください。

『スターウォーズ フォースの覚醒』 CG制作を支える日本人スタッフ - ジェット快調!